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年休と有給の違いとは?年間休日との違い・付与日数・年5日取得義務も解説

「年休と有給って違うもの?」
「年休は年間休日のこと?」
「求人に書いてある年間休日120日に有給は含まれている?」
会社で働いていると、「年休」「有給」「有休」「年間休日」など、似た言葉を目にする機会があります。
結論からいうと、「年休」は一般に「年次有給休暇」の略で、「有給」も日常会話では同じ年次有給休暇を指して使われることが多い言葉です。
そのため、
「明日は年休を取ります」
「明日は有給を取ります」
は、一般的にはどちらも同じ意味で使われます。
ただし、「有給」という言葉には「給与が支払われる」という意味もあるため、会社独自の有給の特別休暇などを含めて使われる場合があります。
さらに、「年間休日」は年次有給休暇とはまったく別のものです。
この記事では、年休と有給の違いから、年間休日・有休との違い、年次有給休暇の付与条件・日数、年5日の取得義務までわかりやすく解説します。
目次
年休と有給の違いとは?
まず、それぞれの言葉を整理してみましょう。
| 言葉 | 一般的な意味 |
|---|---|
| 年休 | 「年次有給休暇」の略 |
| 有給 | 「有給休暇」の略。日常会話では年次有給休暇を指すことが多い |
| 有休 | 「有給休暇」の略。年次有給休暇を指すことが多い |
| 年次有給休暇 | 労働基準法第39条で定められた休暇 |
| 年間休日 | 会社があらかじめ労働義務のない日として定めた休日の年間合計 |
日常会話における「年休」「有給」「有休」は、基本的には同じ年次有給休暇を指すと考えて問題ないでしょう。
ただし、厳密に見ると少し違います。
年休とは「年次有給休暇」の略
「年休」は、一般に**「年次有給休暇」**を省略した言葉です。
年次有給休暇とは、一定の条件を満たした労働者が、賃金の支払いを受けながら仕事を休める法律上の休暇制度です。
厚生労働省も、年次有給休暇について、一定期間勤務した労働者に心身の疲労回復やゆとりある生活を保障するために与えられる休暇と説明しています。
年次有給休暇は、労働基準法第39条に基づく労働者の権利です。
会社が福利厚生として任意に用意している休暇とは異なります。
有給とは?
「有給」は、一般的には「有給休暇」を省略した言葉です。
職場で、
「明日有給を取ります」
「今年あと何日有給が残っている?」
といった会話をするときは、ほとんどの場合、年次有給休暇を意味しています。
そのため日常会話では、
年休=有給
と考えても大きな問題はありません。
ただし、「有給」という言葉そのものには「給与が支払われる」という意味があります。
たとえば、
「有給インターン」
「有給の研修」
という場合の「有給」は、休暇を意味しているのではなく、「給与が支払われる」という意味です。
また、企業が独自に設けた慶弔休暇やリフレッシュ休暇などについても、休暇中に給与が支払われる場合、「有給の特別休暇」などと表現されることがあります。
そのため、法律上の制度について正確に表現したい場合は、**「年次有給休暇」**と書くのが最も明確です。
「有給」と「有休」はどちらが正しい?
「有給」と「有休」は、どちらも一般的に使われています。
たとえば、
「今日は有給です」
「今日は有休です」
のどちらでも、通常は年次有給休暇を取得しているという意味で伝わります。
ただし、「有給」には先ほど説明したように「給与が支払われる」という意味もあります。
一方、「有休」は「有給休暇」を指す略語として使われるため、休暇であることは伝わりやすいでしょう。
とはいえ、法律上の正式名称はいずれでもなく**「年次有給休暇」**です。
就業規則や正式な社内文書など、正確さを重視する場合は「年次有給休暇」と記載するのがわかりやすいでしょう。
「年休」と「年間休日」は別物
特に注意したいのが、「年休」と「年間休日」の違いです。
年休(年次有給休暇)と年間休日は、まったく別のものです。
年間休日とは、会社が就業規則や労働契約などで、あらかじめ「働かなくてよい日」と定めている休日の年間合計です。
たとえば、
土曜日。
日曜日。
祝日。
年末年始休暇。
会社が休日として定めた夏季休暇。
などが年間休日に含まれることがあります。
一方、年次有給休暇は、本来であれば働く予定だった日に、労働者が休暇を取得する制度です。
つまり、
年間休日=最初から働かなくてよい日
年休・有給=本来働く日に取得する休暇
という違いがあります。
厚生労働省の年間休日総数の定義でも、年次有給休暇は年間休日には含めないこととされています。
「年間休日120日+有給10日」なら130日休める?
求人票を見ると、
「年間休日120日」
「有給休暇10日」
と書かれている場合があります。
この場合、年次有給休暇は年間休日とは別です。
そのため、年間休日120日の会社で、年次有給休暇を10日すべて取得した場合、単純計算では年間130日の休みとなります。
ただし、実際に付与される有給日数は勤続年数や労働日数などによって異なります。
また、会社独自の特別休暇が年間休日に含まれるかどうかについても、会社の制度によって異なるため、求人票や就業規則を確認しましょう。
求人の「年休120日」は何を意味する?
「年休」は本来、年次有給休暇の略として使われます。
一方、求人広告などでは、
「年休120日」
「年休125日以上」
のように、「年間休日」の略として使われているケースもあります。
年次有給休暇が年間120日付与されるわけではないため、この文脈での「年休120日」は基本的に年間休日を意味していると考えられます。
このように「年休」という略語は文脈によって意味が変わることがあるため、
「年休10日」なら年次有給休暇。
「年休120日」なら年間休日。
のように、前後の内容も確認しましょう。
特に労働条件を確認するときは、「年休」という略称だけでなく、「年次有給休暇」と「年間休日」のどちらなのかを確認することが大切です。
年次有給休暇はいつからもらえる?
一般的な労働者の場合、年次有給休暇が付与されるための基本的な条件は次の2つです。
雇い入れの日から6か月継続して勤務していること
その期間の全労働日の8割以上出勤していること
この2つを満たした場合、原則として10日の年次有給休暇が付与されます。
これは正社員だけの制度ではありません。
パートタイム労働者やアルバイトであっても、条件を満たせば年次有給休暇は付与されます。
勤務日数が少ない労働者については、所定労働日数に応じて比例付与される場合があります。
年休・有給は何日もらえる?
一般的な労働者の場合、年次有給休暇の法定付与日数は次のとおりです。
| 継続勤務期間 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
最初は10日ですが、その後「毎年1日ずつ増える」わけではありません。
3年6か月以降は、12日から14日、16日、18日、20日と増えていきます。
なお、週の所定労働日数などが少ないパート・アルバイトについては、働く日数に応じた比例付与となることがあります。
年休と有給に取得理由の違いはある?
年休と有給をどちらも年次有給休暇という意味で使っているのであれば、取得ルールに違いはありません。
年次有給休暇は、原則として利用目的を問わず取得できます。
旅行。
家族との予定。
趣味。
休養。
私用。
など、どのような目的で使うかは原則として労働者が決められます。
「旅行だから有給は取れない」など、目的だけを理由に年次有給休暇を取得できなくなるものではありません。
会社は年休・有給を拒否できる?
年次有給休暇は労働者の権利であり、原則として労働者が請求した時季に与える必要があります。
ただし、希望した日に年次有給休暇を与えることで事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が別の時季へ変更する「時季変更権」を行使できる場合があります。
ここで大切なのは、
会社が有給そのものをなくす権利ではない
ということです。
たとえば、
「その日はどうしても事業運営が難しいので、別の日に変更してほしい」
という調整はあり得ます。
一方で、
「忙しい会社だから有給制度自体がない」
という扱いにはできません。
「年5日の有給取得義務」とは?
2019年4月から、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、会社は毎年5日間、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。
労働者自身が取得した日や、計画的付与によって取得した日については、その5日の中に含められます。
たとえば、その年に労働者自身がすでに5日以上取得していれば、会社がさらに5日を指定して取得させる必要はありません。
一方、本人がほとんど有給を取っていない場合には、会社側が取得時季を指定するなどして5日を確保する必要があります。
ここで使われる**「時季指定」と、先ほど説明した「時季変更権」**は別の制度です。
「時季指定」は年5日を確実に取得させるため会社が日を指定する仕組み。
「時季変更権」は労働者が希望した取得日を、事業運営上必要な場合に別の日へ変更する仕組みです。
混同しないようにしましょう。
年休・有給は繰り越せる?
年次有給休暇を付与された年にすべて使い切れなかった場合、残った日数は翌年に持ち越すことができます。
ただし、年次有給休暇の権利は原則として付与から2年で時効となります。
たとえば、ある年に10日付与されて5日しか使用しなかった場合、残った5日は翌年も利用できます。
その後、権利が発生してから2年を経過すると、未使用分は原則として消滅します。
そのため、「2年間繰り越せる」というよりも、**「付与された年休の権利は原則2年間有効」**と理解する方が正確です。
年休・有給はパートやアルバイトにもある?
あります。
「正社員ではないから有給はない」と考えている人もいるかもしれませんが、雇用形態だけで年次有給休暇の有無が決まるわけではありません。
厚生労働省も、正社員だけでなくパートタイム労働者やシフト制労働者などについても、一定の要件を満たせば年次有給休暇が付与されるとしています。
週の所定労働日数が少ない人の場合は、労働日数に応じて付与される日数が少なくなる「比例付与」が適用されることがあります。
年休以外にも有給で休める制度はある?
会社によっては、法定の年次有給休暇とは別に独自の休暇制度を設けている場合があります。
たとえば、
慶弔休暇。
リフレッシュ休暇。
誕生日休暇。
結婚休暇。
会社独自の病気休暇。
などです。
こうした特別休暇について、休暇中も給与を支払う会社もあります。
その場合、広い意味では「有給の休暇」ですが、労働基準法上の年次有給休暇とは別制度です。
取得条件や日数、有給・無給の扱いについては会社ごとに異なるため、就業規則を確認する必要があります。
年休・有給・年間休日・特別休暇の違いを整理
最後に、混同しやすい4つの言葉を整理します。
| 項目 | 年休 | 有給 | 年間休日 | 特別休暇 |
|---|---|---|---|---|
| 主な意味 | 年次有給休暇 | 多くの場合は年次有給休暇 | 年間で労働義務がない休日 | 会社独自などの休暇 |
| 給与 | 支払われる | 年休を指す場合は支払われる | 休日として扱われる | 有給・無給は制度による |
| 法律上の年次有給休暇か | 原則そう | 文脈による | いいえ | 原則別制度 |
| 例 | 入社半年後に10日付与 | 「明日有給を取る」 | 年間休日120日 | 慶弔・リフレッシュ休暇など |
「年休と有給の違い」を理解するときは、
日常会話ではほぼ同じ
ということをまず押さえたうえで、
年休=年次有給休暇を明確に指す
有給=年次有給休暇を指すことが多いが、「給与が出る」という広い意味も持つ
と覚えるとわかりやすいでしょう。
年休と有給に関するよくある質問
年休と有給は同じですか?
日常会話では、基本的に同じ年次有給休暇を意味して使われています。
ただし、「有給」は給与が支払われること自体を意味する場合もあるため、厳密には必ず同じとは限りません。
法律上の制度を正確に表現する場合は「年次有給休暇」と呼びます。
年休は年間休日の略ですか?
一般には「年次有給休暇」の略です。
ただし、求人広告などで「年休120日」と表現されている場合、「年間休日120日」の略として使われているケースがあります。
文脈によって確認しましょう。
年間休日に有給は含まれますか?
原則として含まれません。
年間休日は、就業規則や労働契約などであらかじめ労働義務がないと定められている休日の年間合計です。
年次有給休暇は、本来働く日に労働者が取得する休暇なので別に扱われます。
有給は入社した瞬間から10日もらえますか?
法律上の原則では、雇い入れから6か月継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した場合に10日付与されます。
ただし、法律を上回る制度として、入社時点から年次有給休暇を付与する会社もあります。
有給を5日取らないと労働者が罰せられますか?
年5日の取得を確実に行わせる義務を負うのは会社側です。
対象となる労働者について取得が5日に達していなければ、会社が労働者の意見を聞いたうえで時季を指定するなどして取得させる必要があります。
有給を取る理由は会社に伝えないといけませんか?
年次有給休暇は原則として利用目的を問わず取得できます。
会社で定められた申請手続きは必要になる場合がありますが、年休そのものは特定の理由がなければ取得できない制度ではありません。
まとめ|年休と有給は基本的に同じ。ただし「年間休日」とは別物
「年休」は一般に「年次有給休暇」の略です。
「有給」も、職場の日常会話では年次有給休暇を指すことがほとんどです。
そのため、
「明日は年休を取ります」
「明日は有給を取ります」
は基本的に同じ意味だと考えてよいでしょう。
ただし、「有給」には「給与が支払われる」という意味もあるため、会社独自の有給の特別休暇などを指す場合もあります。
そして特に注意したいのが「年間休日」です。
年休・有給=本来働く日に取得する年次有給休暇
年間休日=会社があらかじめ働かなくてよいと定めている休日
であり、両者は別のものです。
また、法律上の年次有給休暇については、原則として入社から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日が付与されます。
その後は勤続期間に応じて最大20日まで付与されます。
会社の休暇制度を見るときは、「年休」「有給」という略称だけで判断せず、
年次有給休暇なのか
年間休日なのか
会社独自の特別休暇なのか
まで確認することが大切です。
企業側は休暇制度を「あるだけ」で終わらせないことが重要
年次有給休暇や年間休日は、社員にとって働きやすさを判断する重要な条件の一つです。
制度を用意していても、
有給を取りづらい。
取得ルールが社員に伝わっていない。
上司によって取得しやすさが違う。
休んだ人に業務が集中する。
といった状態では、制度が十分に機能しているとはいえません。
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