「何をすれば評価されるか」が伝わる人事評価制度へ|マイビジョンの制度設計を実例付きで解説!
WHY・WHAT・HOWとは?意味・使い方とWHY→HOW→WHATとの違いを解説

「WHY・WHAT・HOWってどういう意味?」
「WHY→WHAT→HOWとWHY→HOW→WHATはどっちが正しい?」
「仕事ではどう使えばいい?」
ビジネスでは、「WHY」「WHAT」「HOW」の3つを使って、目的や施策を整理する方法があります。
基本的には、
WHY=なぜやるのか
WHAT=何をするのか
HOW=どうやるのか
と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば社内の残業を減らすプロジェクトなら、
WHY
社員が長時間労働に頼らず成果を出せる状態をつくるため
WHAT
定型業務を削減する
HOW
会議時間の短縮、業務の自動化、承認フローの見直しを行う
というように整理できます。
ただし、「WHY・WHAT・HOW」を調べていると、
WHY→WHAT→HOW
と
WHY→HOW→WHAT
という2つの順番が出てくるため、混乱しやすいポイントです。
結論からいうと、どちらか一方だけが正しいわけではありません。
サイモン・シネックが提唱した「ゴールデンサークル」は、
WHY→HOW→WHAT
の順番です。
一方、企画やプロジェクトなどを、
目的→やること→実行方法
へ落とし込む思考整理では、
WHY→WHAT→HOW
の順番が使われることがあります。
この記事では、それぞれの意味と違い、具体例、仕事での使い分けまでわかりやすく解説します。
目次
WHY・WHAT・HOWとは?
WHY・WHAT・HOWは、自分たちが取り組もうとしていることを3つの問いに分けて整理する考え方です。
| 要素 | 問い | 主な意味 |
|---|---|---|
| WHY | なぜやるのか? | 目的・理由・存在意義 |
| WHAT | 何をするのか? | 目標・施策・商品・サービス |
| HOW | どうやるのか? | 方法・手段・プロセス |
3つを分けて考えることで、
「なぜやるのかわからない仕事」
「目的はあるが、何をすればよいかわからない状態」
「やることは決まっているが、実行方法が決まっていない状態」
を整理しやすくなります。
WHYとは「なぜやるのか?」
WHYは、その取り組みを行う目的や理由です。
企業であれば、
「なぜこの会社が存在するのか」
という企業理念や存在意義につながることもあります。
一方、プロジェクトや日常業務であれば、
「なぜこの仕事をするのか」
というもっと具体的な目的にも使えます。
たとえば、
「新しい採用サイトを作る」
というWHATだけでは、目的はわかりません。
WHYを確認すると、
「会社の価値観を理解したうえで応募してくれる候補者を増やしたい」
という目的があるかもしれません。
WHYを確認することで、「何のためにやる仕事なのか」が明確になります。
WHATとは「何をするのか?」
WHATは、WHYを実現するために何を行うのかを表します。
商品・サービス。
プロジェクト。
施策。
目標。
成果物。
など、具体的な「やること」です。
先ほどの採用サイトの例なら、
WHY
会社の価値観を理解した候補者を増やしたい
WHAT
採用サイトをリニューアルする
となります。
重要なのは、WHYとWHATを混同しないことです。
「採用サイトを作る」は目的ではありません。
そのサイトによって何を実現したいのかまで確認することで、本来のWHYが見えてきます。
HOWとは「どうやるのか?」
HOWは、WHATを実現するための具体的な方法・手段です。
採用サイトなら、
社員インタビューを掲載する。
代表メッセージを追加する。
会社のMVVを紹介する。
社員の写真を増やす。
求人ページへの導線を改善する。
などがHOWにあたります。
WHY・WHAT・HOWを分けることで、
なぜやるか
↓
何をやるか
↓
どうやるか
をつなげて考えられるようになります。
WHY→WHAT→HOWとWHY→HOW→WHATはどっちが正しい?
ここが最も混乱しやすいポイントです。
検索すると、
「WHY→WHAT→HOW」
と書かれている場合と、
「WHY→HOW→WHAT」
と書かれている場合があります。
これは、別の目的で使われる考え方が混在しているためです。
簡単に整理すると、次のようになります。
| 順番 | 主な使い方 |
|---|---|
| WHY→HOW→WHAT | ゴールデンサークル。理念・ブランド・価値観を伝える |
| WHY→WHAT→HOW | 企画・プロジェクト・問題解決を実行へ落とす |
つまり、「正しい順番が一つだけある」というよりも、何を整理したいのかによって使い分けると理解しやすくなります。
ゴールデンサークルはWHY→HOW→WHAT
「WHYから始める」という考え方を広く知られるようにしたのが、サイモン・シネックです。
シネックは「ゴールデンサークル」というモデルを提唱し、
中心にWHY。
その外側にHOW。
さらに外側にWHAT。
を配置しました。
公式の整理では、それぞれ次のような意味になります。
WHY
目的・大義・信念。
なぜその組織が存在しているのか。
HOW
WHYを実現するために、その会社らしく行っている方法や特徴。
WHAT
実際に提供している商品・サービスなど。
つまりゴールデンサークルでは、
WHY
なぜ存在しているのか
↓
HOW
どのような考え方・方法で実現するのか
↓
WHAT
結果として何を提供しているのか
という順番になります。
サイモン・シネックの公式サイトでも、この順番を内側から外側へ進む形で説明しています。
WHY→WHAT→HOWは何に使う?
一方、仕事の企画やプロジェクトでは、
WHY→WHAT→HOW
で考えると整理しやすい場合があります。
たとえば、新しい研修制度を作るとします。
WHY
若手社員が入社後3年以内に辞めるケースが増えているため、成長実感を持てる環境を作りたい。
WHAT
若手社員向けの育成プログラムを作る。
HOW
1on1を月1回実施する。
半年ごとにキャリア面談を行う。
入社3年目までの育成ロードマップを作る。
こう考えると、
目的
↓
実施すること
↓
実施方法
へ落とせます。
企画書やプロジェクトの説明、チームへの仕事依頼などでは、この順番の方が実行につなげやすいことがあります。
WHY→HOW→WHATとWHY→WHAT→HOWの違い
同じ3つの単語を使っていても、HOWとWHATの役割が少し異なります。
WHY→HOW→WHAT
主に、
企業理念。
ブランディング。
組織文化。
リーダーシップ。
採用広報。
など、「私たちはどんな考え方で活動しているのか」を伝える場面に向いています。
HOWは具体的な作業手順というよりも、
「自分たちはどのような考え方・強み・方法でWHYを実現するのか」
という会社らしさに近い要素です。
WHY→WHAT→HOW
主に、
企画。
プロジェクト。
問題解決。
業務改善。
施策設計。
など、「具体的に何を実行するのか」を決める場面に向いています。
HOWは、
「具体的にどう進めるのか」
という実行方法になります。
具体例で比較|新卒採用を改善する場合
同じテーマを2つの順番で考えてみましょう。
ゴールデンサークル型|WHY→HOW→WHAT
WHY
誰もが自分のビジョンを持ち、それを実現できる社会をつくりたい。
HOW
一人ひとりの価値観や目標を尊重し、挑戦できる機会を提供する。
WHAT
新卒社員を採用し、コンサルティング事業を展開する。
これは、
「この会社は何を信じ、どんな会社なのか」
を説明するときに向いています。
企画設計型|WHY→WHAT→HOW
WHY
事業拡大に対して人員が不足しているため、来年度までに新卒社員を採用したい。
WHAT
新卒採用を5名行う。
HOW
Wantedlyに募集記事を掲載する。
スカウトを月500件送る。
社員インタビュー記事を公開する。
会社説明会を開催する。
こちらは、
「採用プロジェクトを具体的にどう進めるか」
を整理するときに向いています。
同じ採用でも、考えているレイヤーが違います。
WHY・WHAT・HOWを使うメリット
WHY・WHAT・HOWを使う大きなメリットは、目的と行動のずれを発見しやすくなることです。
たとえば、
WHY
顧客満足度を上げたい
にもかかわらず、
WHAT
問い合わせ件数を減らす
HOW
問い合わせフォームを見つけにくくする
となっていたら、WHYとHOWが矛盾しています。
3つを分けて整理することで、
「そもそも何のためだったのか」
へ戻って判断できます。
また、社内で企画を説明するときにも、
「これをやります」
から始めるのではなく、
「この問題があるから、この施策を行います」
と説明することで、背景を共有しやすくなります。
WHY・WHAT・HOWの使い方|企画を作る場合
たとえば、社内の会議時間を削減する企画を考えるとします。
最初から、
「会議は30分以内にしよう」
とHOWを決めるのではなく、WHYから確認します。
WHYを確認する
現在、社員一人あたり週8時間を会議に使っており、顧客対応や企画に使える時間が不足している。
そこで、
「社員が本来価値を生む業務へ使える時間を増やす」
ことを目的とします。
WHATを決める
次に、目的達成のために何を変えるかを決めます。
「不要な会議を減らし、必要な会議を短時間化する」
という状態を目指します。
HOWへ落とす
最後に具体策を決めます。
会議は原則30分。
事前にアジェンダを共有。
情報共有だけならチャットを利用。
参加者を必要最低限にする。
定例会議を3カ月ごとに見直す。
というように、実行へ落とします。
この順番なら、「会議を30分にすること」自体が目的になりにくくなります。
WHY・WHAT・HOWの使い方|新規事業を考える場合
新規事業でも使えます。
WHY
なぜこの市場へ参入するのか。
どんな顧客課題を解決したいのか。
自社が取り組む意味は何か。
WHAT
どんな商品・サービスを提供するのか。
どこまでを事業範囲とするのか。
どんな状態を成功とするのか。
HOW
どんな販売方法にするのか。
どんな人員体制にするのか。
どう集客するのか。
どんなスケジュールで進めるのか。
HOWから考えてしまうと、
「とりあえずSNSを始めよう」
「広告を出そう」
と手段から入る可能性があります。
先にWHYとWHATを決めれば、「そのHOWは本当に必要なのか」を判断しやすくなります。
WHY・WHAT・HOWの使い方|プレゼンや提案を作る場合
プレゼンにも活用できます。
いきなり、
「新しいシステムを導入します」
と話すより、
WHY
現在、月20時間の手入力作業が発生している
WHAT
受注管理システムを導入する
HOW
3カ月かけて既存データを移行し、来期から全社運用する
と説明した方が、
「なぜ導入するのか」
から理解できます。
特に相手へ何か行動を求める場合は、目的を共有してから具体的な依頼へ進むと説明を整理しやすくなります。
WHY・WHAT・HOWの使い方|人事評価制度を作る場合
人事制度でもWHY・WHAT・HOWを使えます。
たとえば、
「評価制度を作りたい」
という相談があったとします。
これはまだWHATです。
まずWHYを考えます。
WHY
なぜ評価制度を変える必要があるのか。
たとえば、
上司によって評価基準が違う。
社員が何を頑張れば評価されるかわからない。
昇給の理由を説明できない。
会社が求める行動と社員の行動がずれている。
といった問題があります。
WHAT
そこで、
「役割や業務に応じた評価制度を構築する」
と決めます。
HOW
実際には、
業務を洗い出す。
評価項目を作る。
評価基準を具体化する。
評価者研修を行う。
半年間仮運用する。
などへ落とします。
「評価シートを作ること」が目的ではありません。
何のために評価制度を作るのかというWHYが明確だからこそ、必要なWHATとHOWを選べます。
WHYと企業理念・MVVの関係
企業全体のWHYを考える場合は、企業理念やMVVとも深く関係します。
たとえば、
「Web制作会社です」
はWHATです。
「デザインとマーケティングを組み合わせて支援します」
はHOWに近い内容です。
では、
「なぜその事業をするのか」
まで掘り下げると、
企業の存在意義やMissionにつながります。
企業理念を作るときにWHYを整理する意味は、格好いい言葉を作ることではありません。
「自分たちは何のためにこの会社を経営しているのか」
という判断の起点を明確にすることです。
WHYは「利益を出すこと」ではない?
ゴールデンサークルにおけるWHYは、単なる売上や利益目標を指しません。
サイモン・シネックは公式にも、利益はWHYではなく結果だと説明しています。
たとえば、
「売上10億円にする」
は経営目標として重要ですが、ゴールデンサークル上のWHYとは異なります。
その会社が、
なぜその事業をしているのか。
どんな変化を社会・顧客にもたらしたいのか。
何を信じて活動しているのか。
まで考えるのが、ゴールデンサークル上のWHYです。
ただし、プロジェクト管理でWHY・WHAT・HOWを使う場合は、
「今期売上を伸ばす必要があるため」
のような、より具体的な目的をWHYとして置くこともあります。
同じWHYでも、使う場面によって抽象度が違うことを理解しておきましょう。
良いWHYを考えるための質問
企業理念としてWHYを考える場合は、
「なぜこの会社を始めたのか」
だけで考える必要はありません。
これまでの重要な出来事を振り返ります。
たとえば、
どんな顧客を見て「変えたい」と思ったのか。
今の事業を始めるきっかけは何だったのか。
利益が出なくても守りたいことは何か。
会社として許容できないことは何か。
顧客から何と言われたときに最もうれしかったか。
今の事業がなくなったら、誰が何に困るのか。
といった問いです。
抽象的な言葉を考えるより、実際の経験や意思決定から共通する価値観を探す方が、その会社らしいWHYを見つけやすくなります。
WHY・WHAT・HOWがうまくいかない3つのパターン
WHYが抽象的すぎる
「社会を良くする」
「お客様を幸せにする」
「未来を変える」
だけでは、多くの企業に当てはまります。
「なぜそう思うようになったのか」
まで掘り下げましょう。
WHATが増えすぎる
WHYを掲げたあと、
新規事業。
SNS。
広告。
採用。
イベント。
など、WHATを次々追加すると、本当に目的につながっているのかわからなくなります。
「このWHATはWHYの実現に必要か」
を確認します。
HOWから考え始める
「AIを導入したい」
「SNSを始めたい」
「1on1を導入したい」
という相談は、HOWから始まっている場合があります。
その前に、
なぜ必要なのか。
何を変えたいのか。
を確認します。
目的が違えば、適切なHOWも変わります。
WHY・WHAT・HOWとWHO・WHAT・HOWの違い
似た言葉として、
WHO・WHAT・HOW
というフレームワークもあります。
こちらは特にマーケティングで、
WHO
誰に届けるのか
WHAT
何の価値を届けるのか
HOW
どう届けるのか
を整理するときに使われます。
WHY・WHAT・HOWが「目的」を起点にするのに対し、WHO・WHAT・HOWは「顧客」を起点にするのが大きな違いです。
たとえば、
WHYを「中小企業でも採用に困らない社会を作る」と決めても、それだけではマーケティング戦略は完成しません。
次に、
誰に。
何を。
どう届けるか。
を考える必要があります。
WHYとWHOは対立するものではなく、考えるレイヤーが違います。
WHY・WHAT・HOWに関するよくある質問
WHY・WHAT・HOWとは簡単にいうと?
仕事を、
「なぜやるのか」
「何をやるのか」
「どうやるのか」
の3つに分けて考える方法です。
企画やプロジェクトの目的と手段を整理するときに活用できます。
WHY・WHAT・HOWとWHY・HOW・WHATはどちらが正しい?
サイモン・シネックのゴールデンサークルは、正式にはWHY→HOW→WHATです。
一方、企画やプロジェクトを目的→実施内容→方法へ落とす場合は、WHY→WHAT→HOWという順番も使われます。
用途が異なるため、「どちらか一方だけが正しい」と考える必要はありません。
ゴールデンサークルとは?
サイモン・シネックが提唱した、WHY・HOW・WHATの3層からなるモデルです。
内側から、
WHY。
HOW。
WHAT。
の順に並びます。
「何をしているか」だけでなく、「なぜしているか」から考え、伝えることを重視するモデルです。
WHYから考えれば必ず成功しますか?
必ず成功するわけではありません。
WHYは、目的と施策をつなげたり、自分たちの考え方を整理したりするための一つのフレームワークです。
実際の事業では、市場・顧客・競合・収益性・実行体制など、ほかの要素も合わせて検討する必要があります。
WHYだけ明確にすれば十分ですか?
十分ではありません。
WHYが明確でも、具体的なWHATとHOWにつながらなければ実行できません。
逆に、WHATとHOWだけが明確でも、WHYとずれていれば目的と施策が一致しなくなる可能性があります。
3つの整合性を確認することが重要です。
まとめ|WHY・WHAT・HOWは「目的→やること→方法」を整理するフレームワーク
WHY・WHAT・HOWを簡単に整理すると、
WHY=なぜやるのか
WHAT=何をするのか
HOW=どうやるのか
です。
企画やプロジェクトを考える場合は、
WHY
目的
↓
WHAT
やること・目標
↓
HOW
方法・手段
という順番で考えると、目的から実行までを整理しやすくなります。
ただし、サイモン・シネックのゴールデンサークルは、
WHY→HOW→WHAT
の順番です。
ゴールデンサークルは、企業や個人の信念を起点として、「どのようにそれを体現し、結果として何を提供するのか」を整理するときに使われます。
どちらが正しいかを考えるより、
今、自分は何を整理したいのか
によって使い分けることが重要です。
そして、どちらにも共通しているのが、WHYを見失わないことです。
施策や手段から考え始めたときこそ、
「そもそも、なぜこれをやるのか?」
と問い直してみましょう。
それだけでも、目的と行動のずれに気づきやすくなります。
WHYを企業理念から日々の行動までつなげる
企業のWHYを言語化しても、それだけで社員の行動が変わるわけではありません。
重要なのは、
WHY
なぜ会社が存在するのか
↓
Mission・Vision
何を実現したいのか
↓
Value
どんな考え方を大切にするのか
↓
具体的な行動
日々何をするのか
↓
評価制度
どんな行動・成果を評価するのか
までつなげることです。
たとえば会社が、
「顧客に最も誠実な会社になる」
という考えを掲げても、
「誠実とは具体的にどんな行動なのか」
が社員ごとに違えば、現場では判断できません。
「問題が起きたら早い段階で報告する」
「顧客に不利な情報も隠さず伝える」
「実現できない納期を安易に約束しない」
など、WHYやValueを具体的な行動へ変換する必要があります。
株式会社マイビジョンでは、経営者へのヒアリングを通じて企業のWHYや理念・MVVを整理し、それを社員の日々の行動や人事評価制度まで落とし込む支援を行っています。
「理念を作ったものの現場に浸透していない」「会社のWHYを言語化したい」「理念と人事制度をつなげたい」と感じている企業様は、お気軽にご相談ください。
