【完全版】ストーリー性とは?定義から作り方まで、今日から使える秘訣を伝授!

「ストーリー性がある作品」

「ストーリー性のある商品」

「企業のストーリーを伝える」

このように、「ストーリー性」という言葉は、小説や映画だけでなく、広告やマーケティング、商品開発、ブランディングなどさまざまな場面で使われています。

しかし、

「ストーリー性って結局どういう意味?」

「ストーリーとストーリー性は何が違うの?」

「どうすればストーリー性を持たせられるの?」

と聞かれると、うまく説明できない人も多いのではないでしょうか。

簡単にいうと、ストーリー性とは、出来事や情報が単に並んでいるのではなく、それぞれがつながり、そこに意味や感情、変化を感じられる性質のことです。

たとえば、「創業20年のパン屋」というだけなら一つの情報です。

一方で、

「父が20年前に始めた小さなパン屋。廃業寸前になったとき、会社員だった娘が店を継ぎ、父のレシピを守りながら若い世代にも愛される店へ再生した」

となれば、人物、背景、問題、行動、変化があります。

これが「ストーリー性」です。

この記事では、ストーリー性の意味から、構成する要素、ストーリー性を高める方法、ビジネスへの活用方法までわかりやすく解説します。

目次

経営理念、言語化できていますか?

ストーリー性とは?

ストーリー性とは、人物や出来事、背景、変化などがつながり、一つの物語として意味や感情を感じられる性質を指します。

単に情報が多いだけでは、ストーリー性があるとはいえません。

たとえば、

「Aさんが商品を開発した」
「3年間研究した」
「商品が発売された」

という事実を並べただけでは、情報の羅列に近い状態です。

しかし、

「既存の商品では解決できない悩みを抱えた顧客との出会いをきっかけに、Aさんが商品開発を開始した。何度も失敗しながら3年間研究を重ね、ようやく商品化に成功した」

とすれば、

きっかけ

挑戦

困難

変化・結果

というつながりが生まれます。

このように、出来事同士につながりがあり、その過程に意味や感情を感じられる状態が「ストーリー性がある」ということです。

農林水産省の資料でも、商品のこだわりや由来、背景、作り手、苦労話などの「共感要素」が受け手の感性と結びつき、心を動かすものとしてストーリー性が説明されています。

「ストーリー」「ストーリー性」「ストーリーテリング」の違い

似た言葉として、「ストーリー」や「ストーリーテリング」があります。

それぞれの違いを整理しておきましょう。

言葉意味
ストーリー出来事や人物によって構成される物語そのもの
ストーリー性物語としてのつながりや意味、感情を感じられる性質
ストーリーテリングストーリーを使って情報やメッセージを伝える手法

たとえば、創業者が会社を設立するまでの出来事そのものは「ストーリー」です。

その出来事が、挫折や挑戦、価値観の変化まで含めてつながり、聞き手が共感できる状態なら「ストーリー性がある」といえます。

そして、そのストーリーを採用サイトや広告、プレゼンなどで伝えることが「ストーリーテリング」です。

ストーリー性が重要な理由

ストーリー性があることで、単なる情報だけでは伝えきれない背景や意味まで相手に届けやすくなります。

情報に意味を持たせられる

数字や事実だけでは、「なぜそれが重要なのか」まで伝わらないことがあります。

たとえば、

「100回試作しました」

という数字だけでも努力量は伝わります。

しかし、

「理想の食感を実現するため、発売期限を延期して100回試作した」

となれば、その数字の背景にある意思やこだわりまで見えてきます。

ストーリー性は、情報に文脈を与える役割を持っています。

共感を生みやすくなる

人は結果だけでなく、そこに至る過程にも感情を動かされます。

失敗した。

悩んだ。

諦めかけた。

それでも続けた。

こうした過程が見えることで、「自分も同じ経験をしたことがある」「応援したい」と感じてもらえる可能性があります。

農林水産省の資料でも、商品の背景や作り手の苦労といった共感要素が消費者の感性と結びつくことで、来店や購入につながる例が紹介されています。

他との違いを伝えやすくなる

商品やサービスの機能だけでは、競合との差が小さくなることがあります。

同じ素材。

似た価格。

似た機能。

このような市場では、「なぜこの商品を作っているのか」「どんな背景から生まれたのか」といったストーリーが差別化要素になります。

経済産業省の資料でも、機能や効率だけでなく、プロダクトの背景にあるストーリーや利用者の体験が価値の差につながるという考え方が示されています。

ストーリー性があるもの・ないものの違い

ストーリー性を理解するには、比較するとわかりやすいでしょう。

ストーリー性が弱い例

「当社は2010年に創業しました。現在は社員50名で、全国のお客様へサービスを提供しています。」

事実は伝わりますが、それぞれの情報につながりがなく、「なぜ今の会社になったのか」が見えてきません。

ストーリー性がある例

「2010年、地方企業が採用に苦戦している姿を見た創業者が『会社の魅力をきちんと伝えられる仕組みを作りたい』と一人で事業を始めました。当初は顧客もほとんどいませんでしたが、企業ごとに採用方法を変える支援を続け、現在では50名の組織として全国の企業を支援しています。」

同じ会社情報でも、

問題

思い

行動

変化

という流れが加わることで、ストーリーとして受け取りやすくなります。

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ストーリー性を構成する5つの要素

ストーリー性を高めるためには、主に5つの要素を意識するとよいでしょう。

キャラクター

キャラクターとは、物語の中で行動する人物です。

小説なら主人公、企業ストーリーなら創業者や社員、商品ストーリーなら開発者などが該当します。

重要なのは、「誰が経験しているのか」が見えることです。

また、完璧な人物より、

悩み。
弱さ。
葛藤。
失敗。

などがある人物の方が、人間らしさを感じてもらいやすくなります。

設定・背景

なぜその出来事が起きたのかを理解するためには、背景が必要です。

時代。
場所。
社会環境。
置かれていた状況。
過去の経験。

などです。

たとえば単に、

「会社を設立した」

と言うより、

「新卒で入社した会社で、能力があるのに評価されない社員を何人も見たことをきっかけに会社を設立した」

とした方が、その行動に意味が生まれます。

目的

ストーリーには、「何を実現したいのか」が必要です。

主人公が何を目指しているのかわからなければ、出来事が起きても単なる日記になってしまいます。

「日本一になる」

「家族を守る」

「業界の常識を変える」

「顧客の悩みを解決する」

など、目的があることで、読者はその過程を追いやすくなります。

葛藤・問題

何も問題が起きず、すべて予定どおり成功する話は、ストーリーとしての起伏が生まれにくくなります。

目標達成を邪魔する問題。

失敗。

迷い。

対立。

予想外の出来事。

こうした障害が存在することで、「この先どうなるのだろう」という関心が生まれます。

変化・結末

ストーリーで特に重要なのが「変化」です。

最初と最後で何が変わったのか。

主人公自身が成長した。

問題が解決した。

価値観が変わった。

会社が成長した。

顧客の生活が変わった。

こうしたBeforeとAfterがあることで、物語全体に意味が生まれます。

ストーリー性を持たせる基本構造

ストーリーを作るというと、「起承転結を考えなければ」と難しく感じる人もいるでしょう。

もちろん、起承転結は有効な構成の一つです。

しかし、ストーリーの基本はもっとシンプルに考えられます。

最初の状態

出来事・行動

最後の状態

です。

学術的なストーリー研究でも、「初期状態→方法・手段→帰結状態」のような最小構造からストーリー性を捉える考え方があります。

たとえば、

Before
「新卒社員が誰にも相談できず、一人で仕事を抱えていた」

Action
「上司との週1回の面談を始めた」

After
「問題を早く相談できるようになり、仕事のミスが減った」

これだけでも一つのストーリーになります。

魅力的なストーリーを作る5つのステップ

誰に伝えるのかを決める

最初に、誰へ伝えるストーリーなのかを決めます。

同じ会社の創業ストーリーでも、

求職者。
顧客。
社員。
投資家。

では、知りたい内容が違います。

相手が何に悩み、何を知りたいのかを考えましょう。

最も伝えたいメッセージを決める

次に、そのストーリーを通じて何を感じてもらいたいのかを決めます。

「挑戦する会社だと伝えたい」

「品質へのこだわりを知ってほしい」

「働く人を大切にする会社だと理解してほしい」

などです。

伝えたいことが多すぎるとストーリーの軸がぼやけます。

まず一つに絞りましょう。

BeforeとAfterを決める

最初と最後で何が変わるのかを決めます。

売れなかった商品が売れるようになった。

一人だった会社が100人になった。

顧客が抱えていた問題が解決した。

この変化が、ストーリーの骨格になります。

変化するまでの障害を入れる

次に、BeforeからAfterへ向かう途中に何があったのかを整理します。

失敗。

葛藤。

反対。

試行錯誤。

予想外の問題。

これらを入れることで、結果だけでは見えなかった価値が伝わります。

不要な情報を削る

ストーリー性を高めるには、情報を増やすだけではありません。

むしろ、中心となる変化に関係のない情報を削ることも重要です。

「面白そうだから」という理由ですべてのエピソードを入れると、何を伝えたいのかわからなくなります。

伝えたいメッセージにつながる出来事だけを残しましょう。

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小説・映画・ゲームにおけるストーリー性

小説

小説では、文章だけで人物や世界を描くため、キャラクターの内面や心理変化を深く表現できます。

主人公が何を望み、何に悩み、どのように変化したのかを丁寧に描くことでストーリー性が高まります。

映画

映画では、脚本だけでなく映像、音楽、演技、編集などを組み合わせてストーリーを伝えます。

同じ出来事でも、カメラワークや音楽によって観客が受ける印象は変わります。

ゲーム

ゲームでは、プレイヤー自身が操作するという特徴があります。

プレイヤーが選択したり、困難を乗り越えたりすることで、「物語を見る」だけでなく「物語を体験する」ことができます。

ビジネスにおけるストーリー性

ストーリー性は、創作だけのものではありません。

企業や商品の魅力を伝えるときにも活用できます。

商品・サービス

商品のスペックだけでなく、

なぜ作ったのか。
誰が作っているのか。
どんな問題から生まれたのか。
どんな試行錯誤があったのか。

を伝えることで、その商品の意味まで伝えられます。

農林水産省の資料でも、素材・原材料、製法・作り手、地域性、誕生秘話などが商品のストーリーを見つける切り口として紹介されています。

広告・マーケティング

広告でも、商品の機能を並べるだけではなく、顧客が商品によってどう変わるのかをストーリーとして見せることがあります。

たとえば、

「このサービスには5つの機能があります」

より、

「毎日3時間かかっていた作業が、このサービスによって30分で終わるようになった」

とした方が、利用後の変化を想像しやすくなります。

採用

採用では、

「年間休日120日」
「若手が活躍できます」

という条件だけでなく、

社員がなぜ入社したのか。
入社後どんな壁にぶつかったのか。
どのように成長したのか。

まで伝えることで、求職者が入社後の自分を想像しやすくなります。

企業理念・ブランド

企業理念にもストーリー性は関係します。

「社会に貢献する企業を目指します」

という言葉だけでは、その会社がなぜそう考えるようになったのかはわかりません。

創業者の原体験や、会社が経験してきた出来事まで含めて伝えることで、理念に背景や意味が生まれます。

ストーリー性を高めるための実践的な5つのコツ

抽象語を具体的な出来事に変える

「大変だった」

だけではなく、

「最初の半年間は顧客が1社も増えなかった」

と具体化します。

数字や実際の場面を入れることで状況を想像しやすくなります。

結果だけでなく過程を書く

「成功した」だけではなく、

何に失敗したのか。
なぜ諦めなかったのか。
何を変えたのか。

を書きましょう。

結果をより印象的にするのは、そこまでの過程です。

人を中心にする

企業や商品を主人公にするより、「人」を出した方がストーリーとして理解しやすくなることがあります。

「会社が変革した」

より、

「創業者が○○という経験をきっかけに会社を変えた」

とすることで、誰の意思による変化なのかが見えます。

良い話にしすぎない

ストーリー性を出そうとして、成功だけを並べる必要はありません。

失敗や迷いがあった方が、その後の成功や変化にも意味が生まれます。

実際にあった困難を無理に隠さず、そのとき何を考えてどう行動したのかを伝えましょう。

作り話にしない

ビジネスでストーリーを活用するときに特に重要です。

「ストーリー性を持たせる」というのは、都合の良い物語を創作することではありません。

実際に存在する、

創業のきっかけ。
開発の苦労。
顧客との出来事。
社員の経験。
商品へのこだわり。

を見つけ、意味のある順番に整理して伝えることが基本です。

ストーリー性がないと感じるときに確認したいこと

ストーリーを作ったものの「何か弱い」と感じた場合は、次の点を確認してみましょう。

主人公は誰なのか。

何を目指しているのか。

最初にどんな問題があったのか。

途中でどんな障害が起きたのか。

主人公は何をしたのか。

最後に何が変わったのか。

そのストーリーを通して何を伝えたいのか。

この中のどれかが抜けていると、出来事はたくさんあるのに「ストーリー性がない」と感じやすくなります。

特に重要なのは、変化です。

始まりと終わりが同じ状態であれば、話を聞いた人は「結局何の話だったのだろう」と感じてしまいます。

ストーリー性に関するよくある質問

ストーリー性があるとはどういう意味ですか?

人物や出来事が単に並んでいるのではなく、それぞれがつながり、その過程に意味や感情、変化を感じられる状態を指します。

ストーリー性と物語性は同じですか?

日常的には近い意味で使われることが多い言葉です。

どちらも「物語として感じられる性質」を表しますが、使用される分野や文脈によってニュアンスが異なる場合があります。

ストーリー性を出すには何が必要ですか?

最低限、

最初の状態→出来事・行動→最後の状態

という変化を作ると考えやすくなります。

そのうえで、人物、目的、問題、背景などを追加すると、より厚みのあるストーリーになります。

ビジネスにもストーリー性は必要ですか?

必須ではありませんが、企業や商品について、機能・価格だけでは伝わらない価値を説明するときに有効です。

特に創業背景、商品開発、ブランド、採用、企業理念などとは相性がよいでしょう。

まとめ|ストーリー性とは「出来事につながりと意味を持たせること」

ストーリー性とは、単に面白い話を作ることではありません。

人物や出来事、背景、問題、行動、結果などがつながり、

「なぜ起きたのか」
「どう変わったのか」
「そこにどんな意味があるのか」

を感じられる状態です。

ストーリー性を持たせたいときは、まず、

Before

出来事・行動

After

という最もシンプルな構造から考えてみましょう。

そこに人物の思いや葛藤、背景、具体的な出来事を加えることで、ただの情報が一つのストーリーへ変わっていきます。

ストーリー性は、小説や映画だけでなく、商品、広告、採用、企業理念などさまざまな場面で活用できます。

重要なのは、話を大げさに作ることではありません。

もともと存在する出来事の中から意味を見つけ、相手に伝わる順番で整理することです。

それが、人の心に残るストーリーを作る第一歩になります。

企業のストーリーを理念やブランドに落とし込みたい方へ

企業にも、それぞれ固有のストーリーがあります。

創業者が事業を始めた理由。

これまで乗り越えてきた問題。

顧客から言われて嬉しかった言葉。

社員に大切にしてほしい考え方。

これらを整理すると、その会社ならではの価値観や「なぜこの会社が存在するのか」が見えてくることがあります。

株式会社マイビジョンでは、経営者へのヒアリングなどを通じて、企業が大切にしてきた価値観を整理し、企業理念・MVVや採用・ブランディングへ落とし込む支援を行っています。

「理念はあるが自社らしさが伝わらない」「会社のストーリーを整理したい」という企業様は、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者 株式会社マイビジョン 代表取締役 玉田 響

中小・ベンチャー企業を中心に、理念設計(MVV設計)や採用戦略の構築などを50社以上支援。経営者と伴走しながら、組織づくり・人材育成に取り組んでいる。採用媒体の活用やSNS運用アドバイスでも実績あり。