もう悩まない! 稟議書の書き方マニュアル:目的別例文&承認を得るための秘訣

「稟議書の書き方が分からず、作成に時間がかかってしまう」「上司に承認してもらえない」
そんな悩みを抱えているあなたへ。
本記事では、稟議書の基本から、目的別の例文、承認を得るための具体的なコツまでを徹底解説します。
この記事を読めば、今日から自信を持って稟議書を作成できるようになり、業務効率も格段にアップするでしょう。
さらに、すぐに使えるテンプレートもご用意しました。
目次
稟議書とは?基本を理解しよう
会社で稟議書を作成する必要があるものの、書き方が分からず困っている方や、稟議書の基本的な書き方、必要な項目を知りたいと考えている方のために、本セクションでは稟議書の定義と目的、そして決裁書や起案書といった類似書類との違いを明確に解説します。
これにより、読者の皆様が稟議書作成の土台をしっかりと築けるようサポートします。
1. 稟議書の目的と重要性
稟議書は、企業活動において、新たな施策の実施、予算の執行、備品の購入、新規取引の開始といった、一定の意思決定を必要とする事項について、関係部署や承認権者の合意を得るために用いられる公式な文書です。
その主な目的は、提案内容の透明性を確保し、組織としての正式な承認プロセスを経ることで、責任の所在を明確にし、リスクを管理することにあります。
稟議書が適切に作成・運用されることで、組織内の意思決定が円滑に進み、無駄なコストの発生や、意図しないリスクの増大を防ぐことができます。
また、提案内容の妥当性を客観的な視点から検討する機会を提供し、より良い経営判断を支援するという重要な役割も担っています。
2. 稟議書と似た書類との違い
稟議書は、決裁書や起案書といった、似たような目的を持つ書類と混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。
まず、起案書は、新しい事業計画や制度の導入など、組織の方向性を定めるような、より広範で戦略的な提案を行う際に用いられることが多い書類です。
一方、決裁書は、既に決定された事項の最終的な承認を求める、あるいは決定内容を通知する際に使われることが一般的です。
これに対し、稟議書は、特定の事項(例えば、一定額以上の支出、新規取引の開始、規定外の経費申請など)について、その必要性や妥当性を説明し、組織内の承認プロセス(稟議)を経て、正式な決定を得るための文書です。
つまり、稟議書は、一定の裁量権を持つ担当者や部署が、その権限を超える事項や、組織全体に影響を与える可能性のある事項について、上位者や関係部署の承認を得るための「事前申請」としての性格が強いと言えます。
承認される稟議書の書き方|5つの重要ポイント
上司や関係者にスムーズに承認してもらえる稟議書を作成したい、あるいは過去に差し戻しを受けた経験を改善したいと考えている方へ。
本セクションでは、承認を得やすい稟議書を作成するための5つの重要なポイントを、実体験に基づくアドバイスや状況に応じた表現方法の使い分けを交えながら解説します。
これにより、読者の皆様は、より効果的で説得力のある稟議書の書き方を習得し、承認プロセスを円滑に進めることができるようになります。
1. 簡潔で分かりやすい文章を心がける
稟議書で最も重要なことは、内容が「簡潔」かつ「分かりやすい」ことです。
忙しい承認者にとって、長文で複雑な説明は負担となります。
まず、提案の「目的」「内容」「期待される効果」といった要点を明確にし、それらを冒頭で簡潔にまとめましょう。
専門用語や社内略語は避け、誰が読んでも理解できる平易な言葉遣いを心がけることが肝心です。
箇条書きや図表を効果的に活用し、視覚的にも理解しやすいように工夫することも有効です。
一文を短くし、接続詞を適切に使うことで、論理的な流れをスムーズに保ちましょう。
もし、提案内容が専門的で複雑な場合は、別紙に詳細資料を添付し、本文では概要に留めるという方法も効果的です。
2. 根拠となるデータを示す
提案の説得力を高めるためには、感情論や主観的な意見だけでなく、客観的なデータや数値を根拠として提示することが不可欠です。
例えば、市場調査の結果、過去の類似案件の実績、競合他社の動向、費用対効果の試算などを具体的に示しましょう。
数値データは、提案の必要性や実現可能性を具体的に示す強力な証拠となります。
「〇〇の導入により、コストが△△%削減される見込みです」「過去の同様のキャンペーンでは、売上が□□%向上しました」といった具体的な記述は、承認者の理解を助け、信頼性を向上させます。
データは信頼できる情報源からのものを引用し、出典を明記することで、さらに説得力が増します。
3. メリットとデメリットを比較する
稟議書では、提案によるメリットだけでなく、潜在的なデメリットやリスクについても正直に、かつ客観的に記述することが重要です。
メリットばかりを強調すると、承認者は提案内容の全体像を把握しにくく、かえって不信感を抱く可能性があります。
提案によって得られる具体的なメリット(例:業務効率の向上、コスト削減、売上増加など)を明確に示しつつ、同時に考えられるデメリットや、それに伴う潜在的なリスク(例:初期投資の高さ、導入に伴う一時的な混乱、想定外の追加コストなど)も包み隠さず提示しましょう。
これにより、承認者は多角的な視点から提案を評価でき、より的確な判断を下すことが可能になります。
4. リスクと対策を明記する
前述のデメリットとも関連しますが、提案を実行する上で想定されるリスクとその具体的な対策を明記することは、承認を得る上で非常に有効です。
どのようなリスクが考えられるのか、そしてそのリスクが発生した場合にどのように対応するのかを具体的に記述することで、承認者は懸念を払拭しやすくなります。
例えば、「システム導入に伴い、一時的に業務フローの変更が必要となる可能性があります。このリスクに対し、事前に十分な研修を実施し、担当部署間の連携を強化することで、混乱を最小限に抑えます。」といった形で記述します。
リスクとその対策を具体的に示すことで、提案内容の実現可能性に対する信頼性が高まり、承認への道が開けやすくなります。
5. 事前調整でスムーズな承認を
稟議書を提出する前に、関係者への事前調整(根回し)を徹底することは、スムーズな承認を得るための極めて重要なステップです。
提案内容について、事前に上司や関連部署の担当者と informal に情報共有を行い、意見交換をしておくことで、稟議書提出時の疑問点や懸念点を事前に解消しておくことができます。
これにより、稟議書が提出された際には、既に大筋で合意が得られている状態となり、 formal な承認プロセスが格段にスムーズに進みます。
また、関係者の協力を得ることで、稟議通過後の実行段階においても円滑な連携が期待できます。
忙しい承認者の時間を無駄にしないためにも、事前調整は欠かせないプロセスと言えるでしょう。
目的別 稟議書の例文集
初めて稟議書を作成する方や、特定の目的(備品購入、新規取引、経費申請など)に合わせた例文を求めている方へ。
本セクションでは、具体的なシーンを想定した例文を提示し、読者の皆様がご自身の状況に合わせて応用できるような実践的な情報を提供します。
これにより、目的別の適切な稟議書を作成できるようになります。
1. 備品購入の稟議書
日常的な備品購入に関する稟議書は、比較的シンプルな記載で済む場合が多いですが、それでも必要な項目は押さえる必要があります。
例えば、「購入品名」「数量」「単価」「合計金額」「購入理由」「予算科目」などを明記します。
購入理由では、なぜその備品が必要なのか、導入によってどのような効果が期待できるのかを簡潔に説明します。
例えば、「現行の〇〇が老朽化し、業務効率に支障をきたしているため、最新型の△△を購入し、作業効率の向上を図りたい。」といった形です。
高額な備品の場合は、複数の見積もりを比較検討した結果を添えることも有効です。
2. 新規取引の稟議書
新たな取引を開始する際の稟議書は、提案内容の妥当性やリスク、期待されるリターンを詳細に説明する必要があります。
取引先の概要、取引内容、取引開始の目的、期待される効果(売上増加、コスト削減など)、契約条件、そして取引に伴うリスクとその対策などを網羅的に記載します。
特に、取引先が信頼できるか、契約条件は自社にとって有利か、といった点は慎重に検討し、根拠を示しながら説明することが重要です。
例えば、「新規顧客〇〇社との取引を開始することで、年間△△円の売上増加が見込まれます。同社は業界内でも高いシェアを誇り、弊社の新製品とのシナジー効果が期待できます。」といった具体的な記述が求められます。
3. 経費精算の稟議書
業務上の経費精算に関する稟議書は、規定に基づき、何のために、いくらの経費が発生したのかを明確にすることが求められます。
経費の内容、金額、発生日、発生場所、そして最も重要な「経費発生の理由」を具体的に記載します。
規定外の経費や高額な経費の場合は、なぜ規定外の処理が必要なのか、あるいはなぜその金額が必要なのか、といった特別な理由を詳細に説明する必要があります。
例えば、「出張先での〇〇(取引先名)との重要商談のため、規定を超える金額での会食が必要となりました。これにより、今後の継続的な取引に繋がる可能性が高まります。」といった形で、業務遂行上不可欠であったことを示します。
関連する領収書や資料の添付も必須となります。
稟議書作成に役立つ!テンプレートと注意点
稟議書作成に時間がかかり、効率を改善したい方や、過去の差し戻し経験を活かして改善策を探している方へ。
本セクションでは、すぐに使えるテンプレートの紹介、作成時の注意点、そしてよくある失敗例を挙げることで、ミスのない稟議書作成をサポートします。
これにより、稟議書作成にかかる時間を短縮し、本来の業務に集中できるようになります。
1. 稟議書テンプレートの紹介
汎用的に使える稟議書テンプレートは、作成の手間を省き、記載漏れを防ぐ上で非常に役立ちます。
多くの企業では、社内システムや共有フォルダに標準的なテンプレートが用意されています。
一般的に、テンプレートには「件名」「申請日」「申請者」「所属部署」「申請内容」「理由」「添付資料」「金額」「承認欄」といった基本的な項目が含まれています。
ここでは、一般的なテンプレートの構成要素を提示し、読者の皆様がご自身の環境でテンプレートを探す際の参考にしていただきます。
件名:〇〇購入に関する稟議
申請日:YYYY/MM/DD
申請者:〇〇 〇〇
所属部署:〇〇部
申請内容:
・商品名:〇〇
・数量:〇〇
・単価:〇〇円
・合計金額:〇〇円
理由:
(ここに具体的な購入理由、導入効果などを記載)
添付資料:
・見積書(添付済)
承認:
(承認者の捺印・署名欄)
2. 稟議書作成時の注意点
稟議書作成において、見落としがちな重要な注意点がいくつかあります。
まず、提出前に必ず誤字脱字や計算ミスがないかを確認しましょう。
特に金額の桁数や単位は間違いやすいポイントです。
次に、社内規定や関連部署のルールを事前に確認し、それに沿った内容になっているかを確認することも重要です。
承認者の立場になって、何を知りたいか、どのような情報があれば判断しやすいかを常に意識しましょう。
また、添付資料が不足していないか、必要な情報がすべて記載されているかどうかも、提出前に最終チェックするべき項目です。
不明な点があれば、提出前に必ず確認し、誤解や差し戻しを防ぎましょう。
3. 稟議書でよくある失敗例
過去の経験から、稟議書でよくある失敗例とその回避策を具体的に紹介します。
最も多い失敗の一つは、「理由が曖昧」であることです。
「〇〇のため」といった漠然とした理由では、承認者はその必要性を理解できません。
具体的な目的や期待される効果を明確に記述しましょう。
次に、「添付資料の不足」も頻繁に見られます。
見積書、仕様書、関連資料など、提案内容を裏付ける資料が不足していると、審査が進みません。
また、「金額の誤記」や「計算ミス」も、信頼性を損なう大きな原因となります。
これらの失敗例を参考に、提出前に十分な確認を行いましょう。
稟議書の電子化で業務効率アップ
社内手続きの効率化や業務改善に関心のある会社員、事務職、管理部門担当者向け。
本セクションでは、ペーパーレス化を推進し、稟議書作成・承認プロセスを劇的に改善するための電子稟議システムのメリットや、具体的な業務改善事例を紹介します。
これにより、最新の電子稟議システムを活用し、業務効率を向上させることができます。
1. 電子稟議システムのメリット
電子稟議システムを導入することで、多くのメリットが得られます。
まず、時間短縮は最も顕著な効果の一つです。
紙の書類を印刷し、関係部署を回覧する手間が省け、オンライン上で迅速に承認プロセスを進めることができます。
次に、コスト削減も期待できます。
紙、印刷代、郵送費といった物理的なコストが削減され、ペーパーレス化による保管スペースの節約にも繋がります。
さらに、管理の容易さも大きな利点です。
過去の稟議書も検索機能で容易に探し出すことができ、進捗状況もリアルタイムで把握できます。
これにより、承認プロセスの透明性が向上し、管理業務の負担が軽減されます。
2. 電子化による業務改善事例
実際に電子稟議システムを導入した企業では、顕著な業務改善効果が報告されています。
例えば、ある製造業のA社では、電子稟議システム導入後、稟議書の承認にかかる平均時間が従来の5営業日から2営業日に短縮されました。
これにより、備品購入や新規プロジェクトの立ち上げが迅速化し、機会損失の低減に繋がりました。
また、あるサービス業のB社では、ペーパーレス化の推進により、年間約30万円の印刷・郵送コスト削減を達成しました。
さらに、外出先からでもスマートフォンで稟議の承認ができるようになったことで、営業担当者の業務効率も向上しました。
これらの事例は、電子化が単なる手続きの変更に留まらず、組織全体の生産性向上に貢献することを示しています。
まとめ
この記事では、稟議書の基本から、承認されるための書き方のコツ、目的別の例文集、テンプレート活用法、そして電子化のメリットまで、多岐にわたる情報を提供してきました。
稟議書は、単なる事務手続きではなく、組織の意思決定を円滑にし、リスクを管理するための重要なツールです。
ここで学んだ知識を活かすことで、皆様は「スムーズに承認される稟議書を作成できるようになり、業務を効率化できる」「上司や関係者とのコミュニケーションが円滑になり、社内での評価が向上する」といった最終目標を達成できるはずです。
ぜひ、この記事で得た知見を日々の業務に活かし、より効果的な稟議書作成を目指してください。