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職務と業務の違いとは?職種・職責・作業との違いも例付きでわかりやすく解説

「職務と業務って何が違う?」
「職務内容と業務内容は同じ意味?」
「求人票や人事評価ではどう使い分ければいい?」
ビジネスでは「職務」と「業務」という言葉が頻繁に使われますが、似た意味を持つため、明確な違いがわからない人も多いでしょう。
簡単に整理すると、
職務=その人が組織の中で担う役割・責任を含めた仕事
業務=仕事として継続的に行う具体的な内容
と考えるとわかりやすくなります。
たとえば営業担当者なら、
職務
担当顧客への営業活動を通じて、売上目標を達成すること
業務
新規顧客開拓、既存顧客対応、商談、見積作成、契約管理など
作業・タスク
今日10社へ電話する、見積書を1件作成する、CRMへ商談内容を入力する
というように整理できます。
ただし、「職務」「業務」は法律・人事制度・企業によって使い方が異なる場合があります。
この記事では、職務と業務の基本的な違いから、職種・職責・作業・タスクとの違い、求人票や人事評価での使い分けまで、具体例を使ってわかりやすく解説します。
目次
職務と業務の違いを簡単にいうと?
まず、違いを表で確認してみましょう。
| 項目 | 職務 | 業務 |
|---|---|---|
| 主な意味 | 個人が担う役割・責任を含んだ仕事 | 職業として継続して行う仕事 |
| 注目する点 | 誰が何を担い、何に責任を持つか | 実際に何の仕事を行うか |
| 例 | 採用担当として必要人材を確保する | 求人作成、応募者対応、面接調整など |
| 人事で使う場面 | 職務分掌、職務記述書、評価、配置 | 業務一覧、業務改善、マニュアルなど |
つまり、「その人に何を任せるのか」を考えるときは職務、「日々どんな仕事をしているのか」を考えるときは業務と整理すると理解しやすくなります。
ただし、「職務の方が必ず広く、業務の方が必ず狭い」という単純な上下関係ではありません。
企業や制度によって言葉の使い方は異なるため、文脈も確認する必要があります。
職務とは?
「職務」とは、企業や組織の中で、その人に割り当てられている仕事や役割、責任を表す言葉です。
人事制度では、
「このポジションは何を担うのか」
「どこまで責任を持つのか」
「どんな成果を期待されているのか」
を明確にするときに使われます。
たとえば営業担当者の場合、
「法人顧客への営業活動を通じて、担当エリアの売上目標を達成する」
といったものが職務として考えられます。
単に営業活動を行うだけでなく、売上目標に対して一定の責任を持つところまで含めて考えるのがポイントです。
厚生労働省では「職務の内容」をどう定義している?
厚生労働省は、短時間・有期雇用労働者に関する制度の中で、「職務の内容」を、
「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度」
と定義しています。
また、「業務」は「職業上継続して行う仕事」とされています。
つまり、公的な整理では、
職務の内容=何の業務をするか+その業務についてどこまで責任を負うか
と考えることができます。
責任には、
決裁できる範囲。
管理する部下の人数。
成果について求められる役割。
トラブル発生時の対応。
目標・ノルマへの責任。
なども含まれます。
そのため人事制度で職務を定義するときには、「何をするか」だけでなく「どこまで任せるか」まで明確にすることが重要です。
業務とは?
「業務」とは、仕事として継続的に行う内容を指す言葉です。
たとえば営業部門なら、
新規顧客開拓。
既存顧客への提案。
商談。
見積書作成。
契約管理。
売上管理。
などが業務として考えられます。
「業務報告」「業務改善」「業務マニュアル」といった言葉でも使われるように、実際に職場で何の仕事を行っているかを表すときに使われることが多い言葉です。
業務と作業・タスクは同じではない
ここは特に混同しやすいポイントです。
「業務」を細かく分解すると、「作業」「タスク」になります。
たとえば、
業務
請求書発行
作業・タスク
請求データを確認する
請求書を作成する
上司の承認を得る
顧客へ送付する
送付履歴を記録する
という関係です。
そのため、「電話を1本する」「データを1件入力する」といった単発の行動まで、すべて業務と呼ぶ必要はありません。
記事や人事制度を作るときは、
職務
↓
業務
↓
作業・タスク
と粒度を分けると整理しやすくなります。
職務と業務の違いを営業職で具体的に比較
営業職を例にすると、違いがわかりやすくなります。
職務
「担当顧客への営業活動を通じて、年間売上目標を達成し、継続的な顧客関係を構築する」
ここでは、
何を担うのか。
何を成果として求めるのか。
どこに責任を持つのか。
まで含まれています。
業務
職務を果たすために、次のような業務を行います。
新規顧客開拓。
既存顧客フォロー。
商談。
提案書・見積書作成。
契約管理。
顧客情報管理。
売上進捗管理。
作業・タスク
さらに業務を分解すると、
「見込み顧客へ電話を10件かける」
「A社向けの見積書を作成する」
「昨日の商談内容をCRMへ入力する」
など、日々の具体的なタスクになります。
つまり、
職務=営業担当として何を実現する責任があるか
業務=そのためにどんな仕事を継続して行うか
作業・タスク=今日具体的に何をするか
と考えると理解しやすいでしょう。
職種別|職務・業務の違い
ほかの職種でも見てみましょう。
人事
職務
「採用活動を通じて、事業計画に必要な人材を確保する」
業務
採用計画作成。
求人票作成。
スカウト。
応募者対応。
書類選考。
面接調整。
採用進捗管理。
タスク
「本日中に候補者5名へスカウトを送る」
「明日の面接候補者へZoom URLを送る」
などです。
経理
職務
「会社の取引を適切に会計処理し、正確な財務情報を提供する」
業務
仕訳。
経費精算。
請求管理。
入出金管理。
月次決算。
年次決算。
タスク
「今日届いた請求書20件を会計システムへ入力する」
などです。
マーケティング
職務
「マーケティング施策を通じて見込み顧客を獲得し、事業成長に貢献する」
業務
市場調査。
SEO。
広告運用。
SNS運用。
コンテンツ制作。
アクセス解析。
タスク
「来月公開するSEO記事の構成案を1本作る」
などです。
エンジニア
職務
「担当システムを開発・改善し、安定したサービス提供を実現する」
業務
要件確認。
設計。
実装。
テスト。
コードレビュー。
保守・運用。
タスク
「ログイン画面の不具合を修正する」
などです。
職務と業務はどちらの範囲が広い?
「職務の方が業務より広い」と説明されることがあります。
実務上、そのように整理するとわかりやすい場合もありますが、必ずしもすべての文脈で職務>業務という関係になるわけではありません。
厚生労働省の整理では、「職務の内容」は「業務の内容+責任の程度」です。
一方で、「業務」という言葉は会社全体の事業活動を指すこともあります。
たとえば、
「当社の主要業務」
「業務委託」
「業務範囲」
などでは、必ずしも一個人の職務より狭い意味ではありません。
そのため、言葉の大小だけで覚えるより、
職務=人・役割・責任に焦点を当てる
業務=実際の仕事の内容に焦点を当てる
と覚える方が、さまざまな場面で使いやすいでしょう。
「職務」と「職種」の違い
職種は、仕事内容の種類・カテゴリーを表す言葉です。
たとえば、
営業職。
人事職。
経理職。
エンジニア職。
デザイナー職。
などです。
一方、職務は同じ職種でも人によって変わります。
たとえば同じ営業職でも、
Aさん:
新規法人顧客の開拓を担当
Bさん:
既存大口顧客の契約更新・アップセルを担当
Cさん:
営業チームのマネジメントを担当
という違いがあります。
つまり、
職種=何系の仕事か
職務=その人に何を任せているか
です。
「職務」と「職責」の違い
職責とは、その職務を遂行するうえで負う責任を指します。
たとえば営業部長なら、
職務
営業部全体の売上達成と組織マネジメント
職責
営業目標の達成責任
部下育成
予算管理
重要顧客対応
問題発生時の最終判断
などです。
つまり、職責は職務の中でも特に責任の部分に焦点を当てた言葉と考えるとわかりやすいでしょう。
「業務」と「作業」の違い
業務は、職業として継続的に行う仕事です。
作業は、その業務を構成する具体的な行動です。
たとえば、
業務
勤怠管理
作業
未打刻者を確認する
対象者へ連絡する
修正申請を確認する
勤怠システムを締める
となります。
業務改善を行うときには、この「作業」まで分解することで、
どこに時間がかかっているのか。
重複作業がないか。
自動化できないか。
を確認しやすくなります。
「任務」と「職務」の違い
「任務」は、ある目的のために任された仕事や役割を指します。
たとえば、
「プロジェクトを期限までに完成させることが今回の任務だ」
という使い方です。
職務が継続的な役割として使われることが多いのに対して、任務は特定の目的・期間に対して使われる場合もあります。
ただし、日常的には近い意味で使われることもあります。
職務内容と業務内容の違い
求人票や社内資料では、
「職務内容」
「業務内容」
という言葉も使われます。
一般的には、
職務内容
そのポジションが担う役割、責任、期待成果を含めた仕事内容。
業務内容
実際に担当する仕事の内容。
と整理するとわかりやすいでしょう。
たとえば採用担当者の求人なら、
職務内容
「年間採用計画に基づき、必要人材を確保するための採用活動全般を担当する」
業務内容
採用計画作成
求人媒体運用
スカウト
応募者管理
面接調整
エージェント対応
内定者フォロー
などです。
ただし、実際の求人では「職務内容」と「業務内容」をほぼ同義で使っている企業もあります。
用語名だけで判断せず、具体的に何を担当し、何を求められるのかを本文から確認しましょう。
求人票を見るときは「業務」だけでなく「責任」も確認する
求人票では、仕事内容だけでなく、
どこまで自分で判断できるのか。
どのような成果を求められるのか。
部下のマネジメントはあるのか。
予算・決裁権限はあるのか。
どこまで顧客対応を任されるのか。
まで確認すると、実際の職務が見えやすくなります。
同じ「人事」という職種でも、
採用事務を担当するポジション。
採用戦略まで担うポジション。
人事部長として人事全体を統括するポジション。
では、業務だけでなく責任の範囲も大きく異なります。
企業が職務と業務を分けて整理するメリット
ここからは企業側の視点で考えてみましょう。
職務と業務を整理すると、人事制度のさまざまな場面で役立ちます。
誰が何に責任を持つのかが明確になる
業務一覧だけでは、
「結局、この結果に誰が責任を持つのか」
が曖昧になる場合があります。
職務として、
役割。
期待成果。
責任範囲。
権限。
を整理することで、責任の所在を明確にできます。
業務の抜け漏れ・重複を見つけやすい
業務を書き出すと、
同じ仕事を複数人が重複して行っている。
誰も担当していない業務がある。
特定の人だけに仕事が集中している。
といった状態が見えやすくなります。
業務改善や属人化解消にも活用できます。
人事評価を作りやすくなる
評価制度を作るときに、
「主体性」
「責任感」
「コミュニケーション」
といった抽象的な言葉だけを並べても、何を評価するのかわかりにくくなります。
まず職務と業務を整理すれば、
その人に何を任せているか
↓
どの業務をどの水準でできる必要があるか
↓
どんな成果・行動を評価するか
という流れで評価項目を設計しやすくなります。
採用要件を明確にできる
採用でも、
「営業経験者募集」
だけでは必要な人材像が曖昧です。
新規営業なのか。
既存顧客管理なのか。
営業戦略まで担うのか。
チームマネジメントも必要なのか。
職務と業務を明確にすることで、求人票や面接で確認すべき内容も具体化できます。
教育・引き継ぎがしやすくなる
業務を具体的に整理しておけば、
何を覚える必要があるのか。
どの順番で習得するのか。
どこまでできれば一人前なのか。
を決めやすくなります。
新人育成や異動時の引き継ぎにも活用できます。
職務を明確にする「ジョブディスクリプション」とは?
職務を整理するときに使われるものの一つが「ジョブディスクリプション(職務記述書)」です。
ジョブディスクリプションでは一般に、
職務の目的。
担当業務。
責任範囲。
権限。
求める成果。
必要なスキル・経験。
などを整理します。
職務内容や期待スキルを明確にすることで、社員自身も自分に何が求められているかを理解しやすくなります。
タレントパレットでも、ジョブディスクリプションによって役割ごとのミッションや必要スキルを明確にし、配置・育成・評価へ活用する考え方が紹介されています。
職務と業務を整理するときの具体的な方法
企業で整理するなら、次の順番で進めるとわかりやすくなります。
1.職種を分ける
まず、
営業。
人事。
経理。
製造。
デザイン。
など、仕事の種類を整理します。
2.職務を決める
次に、そのポジションへ何を任せるのかを明確にします。
たとえば営業担当なら、
「担当市場における新規顧客獲得と売上目標達成」
などです。
3.業務を書き出す
その職務を果たすために必要な業務を洗い出します。
市場調査。
リスト作成。
アポイント獲得。
商談。
提案。
契約。
顧客フォロー。
などです。
4.必要なら作業まで分解する
業務評価やマニュアル作成が目的なら、さらに細かく分けます。
たとえば「商談」であれば、
事前情報収集。
ヒアリング項目準備。
商談実施。
議事録作成。
CRM入力。
次回アクション設定。
などです。
5.責任・期待成果を確認する
最後に、
何を達成すれば職務を果たしたと言えるのか。
どこまで本人へ任せるのか。
どんなトラブル時に判断を求めるのか。
まで定義します。
これによって、単なる業務一覧ではなく「職務」として整理できます。
職務と業務に関するよくある質問
職務と業務はどちらが大きい概念ですか?
一概に「どちらが必ず大きい」とは言えません。
人事実務では、職務を「個人が担う役割・責任」、業務を「具体的な仕事の内容」と整理すると理解しやすいですが、「業務」という言葉が会社全体の事業活動を指す場合もあります。
文脈に応じて判断しましょう。
職務と仕事内容は同じですか?
近い意味で使われることがあります。
ただし、職務には単に「何をするか」だけでなく、誰がどの役割・責任を担うのかという意味合いが含まれる場合があります。
業務とタスクは同じですか?
同じではありません。
一般に、業務をさらに具体的な行動単位まで分けたものがタスクと考えるとわかりやすいでしょう。
職務経歴書には業務を書くのですか?
職務経歴書では、
どんな職務・役割を担ったか。
具体的にどんな業務を担当したか。
どんな成果を出したか。
まで書くと経験が伝わりやすくなります。
「営業を担当」だけでなく、「新規法人営業を担当し、年間○件の新規契約を獲得」のように具体化しましょう。
職務分掌とは何ですか?
職務分掌とは、組織内で誰がどの仕事・責任を担当するのかを整理し、分担を明確にすることです。
職務分掌を明確にすることで、責任の曖昧さや業務の重複を防ぎやすくなります。
まとめ|職務は「役割・責任」、業務は「実際に行う仕事」と考えるとわかりやすい
職務と業務は似た言葉ですが、注目しているポイントが異なります。
一般的な人事・ビジネス実務では、
職務=その人が組織の中で担う役割・責任を含めた仕事
業務=職業として継続して行う実際の仕事
と考えると理解しやすいでしょう。
さらに、
職種
何系の仕事か
職務
その人に何を任せ、何に責任を持たせるか
業務
どんな仕事を継続して行うか
作業・タスク
具体的に何をするか
まで分けると、仕事の全体像を整理できます。
企業側にとっても、この違いを整理することは重要です。
職務が曖昧なら、社員は「自分は何に責任を持つのか」がわかりません。
業務が曖昧なら、「具体的に何をすればよいのか」がわかりません。
役割・責任と具体的な仕事の両方を明確にすることで、採用・配置・教育・評価などを一貫して設計しやすくなります。
職務・業務を整理して、実際の評価項目へ落とし込む
人事評価制度を作るとき、いきなり、
「主体性」
「協調性」
「責任感」
といった評価項目を決めてしまうと、実際の仕事と評価がつながらないことがあります。
まず必要なのは、
その部署にどんな職務があるのか。
その職務を果たすためにどんな業務があるのか。
それぞれの業務をどの水準でできればよいのか。
を整理することです。
そのうえで、
職務
↓
業務
↓
業務を構成する作業
↓
求める水準
↓
評価項目
へ落とし込めば、「実際の仕事を評価する制度」を作りやすくなります。
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