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基本方針とは?経営理念との違いや作り方のポイントを徹底解説

企業が持続的に成長していくためには、明確な指針に基づいた経営が欠かせません。中でも「基本方針(経営方針)」は、組織全体の方向性を示すうえで大切な役割を果たします。経営理念やビジョンとは異なる立ち位置を持つ基本方針ですが、それらと連動することで、日々の意思決定や行動に一貫性が生まれます。

本記事では、基本方針とは何かを改めて整理し、経営理念との違い、効果的な作り方、社内への浸透方法までを順を追って解説していきます。企業の価値を高めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

基本方針とは?

基本方針とは?

基本方針とは、企業や組織がどのような方向性で活動を進めていくのかを示す中核的な考え方のことです。経営者の意思や組織としての価値観をもとに、事業運営や意思決定の土台となる視点を明文化したもので、「経営方針」とも呼ばれます。基本方針は戦略の策定や社員の行動指針にも影響を与えるでしょう。

基本方針が明確であることで、経営層だけでなく、現場で働く一人ひとりの判断や行動に一貫性が生まれます。また、変化の激しい経営環境の中でも軸を持った意思決定が可能になり、組織全体の安定性や信頼性にもつながります。

日常的な業務の中では、目の前の課題に対応することで精一杯になりがちですが、基本方針があることで、どのような判断が組織にとってふさわしいのかを見極めやすくなるでしょう。

基本方針(経営方針)と経営理念の違い

経営理念と基本方針は、いずれも企業の指針となる要素でありながらも、位置づけと役割の違いを認識することが欠かせません。経営理念は、ミッション・ビジョン・バリューの総称を示し、企業が何のために存在し、どのような価値を提供していくのかなどの根本的な意義を表すもので、経営者の信念や志を土台とします。

それに対して基本方針(経営方針)は、理念を踏まえたうえで、経営の方向性や優先すべき行動の枠組みを明文化したもので、日々の意思決定や中長期的な戦略に具体性をもたらし、組織の行動を一つにまとめていく働きのことです。

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経営理念の構成要素

経営理念は、単なる一文やスローガンではなく、いくつかの明確な要素から構成されます。特に重視されるのが「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3つの視点で、体系的に整理することで、理念がより実践的な指針として組織に浸透しやすくなるでしょう。ここでは、経営理念の構成要素をそれぞれ解説していきます。

1.ミッション

ミッションは、企業が社会の中で果たすべき使命や役割のことです。なぜこの会社が存在するのか、どのような価値を世の中に提供していくのかを示すことで、社内外に明確な意志を伝える役割を果たします。

使命が明確であるほど、企業が多様な選択肢や課題に直面した際も、軸のぶれない判断がしやすくなるでしょう。組織の一体感や社員の誇りを支える土台として、ミッションの設定は不可欠です。

2.ビジョン

ビジョンは、将来的に企業が目指すべき方向性を描いたものです。現時点では実現していない理想の状態を示し、中長期的な目標として設定されます。明確なビジョンがあることで、日々の業務が将来の目標と結びつき、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

また、ビジョンは社内だけでなく、顧客や取引先に対しても企業の方向性を示すメッセージとなるため、戦略的な位置づけが求められます。

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3.バリュー

バリューは、企業が守るべき価値観や行動指針など判断基準を表現する要素です。組織としてどのような姿勢で物事に取り組むのか、どのような行動が評価されるのかを明示し、社内の文化形成に大きく影響します。

価値観が具体的に共有されることで、社員一人ひとりが自律的に判断しやすくなり、組織全体として統一感のある行動が促されるでしょう。バリューは理念の実践を支える行動指針として、日常的に意識されることが大切です。

基本方針(経営方針)の作り方

基本方針(経営方針)の作り方

基本方針を策定するにあたって大切なのは、理念だけにとどまらず、現場の実態や中長期的な経営戦略を踏まえた実践的な視点です。抽象的な表現にとどまらず、日々の業務に結びつく形で具体的に定めることで、社内全体に浸透しやすくなります。ここでは、基本方針を策定する際の主要なステップを順を追って紹介していきます。

1.経営理念の再確認

基本方針を定める際には、まず経営理念に立ち返ることが欠かせません。理念とは、企業が存在する根本的な理由や社会貢献の意義を示すものです。

これらは時間の経過とともに経営環境や顧客のニーズが変化している場合、かつての理念と現在の現場との間にずれが生じていることも少なくありません。

そのため基本方針を策定する前には、理念が今の状況に合致しているかをあらためて検証し、全社で共有することが大切です。言葉の意味だけでなく、その背景や意図までを理解することで、基本方針が理念に基づいた一貫性のある内容になります。

2.現状の分析と課題の特定

基本方針を現実的かつ実行可能なものにするためには、まず現状の把握が不可欠です。自社の強みや弱み、業界のトレンド、顧客の動向など、内外の環境を客観的に分析することで、何が今後の成長を阻む要因であり、何が可能性を広げる材料なのかが見えてきます

このプロセスは、経営層だけでなく、現場の声も取り入れることで実態に即した情報が得られやすくなるでしょう。現状分析を通して明確化された課題は、基本方針に反映されるべき大切な要素です。曖昧な課題認識では、抽象的な方針にとどまりやすいため、具体的で解決可能な課題を正確に捉えることが求められます。

3.具体的な行動指針の設定

経営理念や方針を策定しても、組織の中で実際に活用されなければ意味がありません。そのためには、日々の業務と直結する行動指針にまで落とし込むことが求められます。

行動指針とは、社員が具体的にどのような行動をとればよいかを判断する基準です。抽象的なスローガンではなく、「お客様への対応を24時間以内に行う」や「定期的に部門間のミーティングを行う」など、実践可能な内容が欠かせません。

これにより、社員一人ひとりが自らの行動に自信を持ち、組織全体として統一感のある動きが生まれます。方針を実現に導くための橋渡し役として、行動指針の明確化は大切です。

4.組織内への浸透

どれほど練り上げられた基本方針でも、それが組織全体に理解されていなければ実効性は伴いません。社内での浸透を図るためには、単に文書で配布するだけでは不十分であり、リーダー層が方針の意図を自らの言葉で語り、現場との対話を通じて理解を深めていくことが大切です。

また、日常的に方針を意識できる環境をつくることも欠かせません。定例会議や評価制度、業務目標との連動など、複数の接点を通じて自然に方針が浸透するように設計します。組織全体で方針が共有されれば、個々の判断がぶれることなく、戦略的な行動へとつながっていきます。

5.定期的な見直しと改善

基本方針は一度策定したら終わりではなく、継続的な見直しと改善を前提とするべきです。事業環境の変化、顧客ニーズの多様化、新たな競争要因の出現など、外部環境は常に変動しています。その中で、基本方針が現状と乖離してしまえば、組織の意思決定に混乱を招きかねません。

そこで必要なのが、定期的な振り返りと関係者による検証です。社内アンケートや面談などを通じて、実際の運用状況や社員の理解度を把握し、改善に活かすことが望まれます。こうしたサイクルを継続することで、基本方針が時代に適応しながらも、理念と整合性の取れたものとして成長していきます。

基本方針(経営方針)策定時に考慮すべきポイントと注意点

基本方針は企業の方向性を示す大切な軸であるため、策定にあたっては内容の一貫性や現実性が求められます。理念と乖離したり、実行が困難な目標を掲げたりすると、組織内で混乱が生じ、かえって意識のズレを生みかねません。ここでは、基本方針を設計する際に意識しておきたい3つのポイントを紹介していきます。

実現可能な内容を設定する

どれだけ理想的な方針を掲げても非現実的で実行困難なものであれば、組織にとっては空虚な存在となってしまいます。特に現場の社員にとって実感を持てるかどうかは、方針の有効性に大きく関わります。現在のリソースやスキル、業務体制を踏まえたうえで、現実的に取り組める範囲を明確にすることが欠かせません。

また、ステップを段階的に設けることで、達成への道筋が具体的に描かれ、方針が日常の行動に結びつきやすくなります。理想と現実のバランスをとることが、社内での信頼と共感につながります。

経営理念と一貫性をもたせる

基本方針は経営理念から派生するものであり、理念と矛盾が生じないように設計することが大切です。理念と方針が一貫していることで、組織の意思決定や行動に統一感が生まれます。逆に、理念では「社会貢献」をうたっていながら、方針で短期的な利益を優先するような内容が含まれている場合、社内外からの信頼を損なうおそれがあるでしょう。

方針を策定する際には、理念のキーワードや価値観を参照し、そこからブレないよう意識する必要があります。一貫性のある方針は、社員の理解や共感を得やすく、組織の方向性を明確に伝える力を持ちます。

関係者と十分にコミュニケーションをとる

方針策定は経営層だけで完結するものではありません。実際にそれを実行する現場の声や、部署ごとの課題感を踏まえた意見を取り入れることで、より現実的かつ納得感のある方針になります。

策定の段階から関係者を巻き込むことで、実施段階でのスムーズな移行が期待でき、社内への浸透度も高まるでしょう。また関係者との対話を通して、方針の背景や目的が明確になりやすく、表面的な理解で終わらせない効果もあります。

基本方針(経営方針)を組織全体に浸透させるには

基本方針(経営方針)を組織全体に浸透させるには

基本方針を策定したあとは、その内容をいかに組織全体に定着させるかが大切です。どれほど優れた方針でも、実際の業務に生かされなければ意味がありません。ここでは、浸透を促す具体的な方法を5つの観点から解説していきます。

分かりやすく、簡潔な言葉でまとめる

基本方針を浸透させるうえで、まず重視すべきは「言葉のわかりやすさ」です。難解な表現や抽象的な文章では、社員の理解や共感を得ることは難しくなります。一読して内容がすぐに理解でき、印象に残るような簡潔な表現を心がけることが大切です。

また、専門用語や業界特有の言い回しを避け、誰もが自分の業務に関連づけて考えられる言葉を選ぶことで、方針の意味が伝わりやすくなるでしょう。全社員が共通の理解を持つためには、複雑さよりも明瞭さを優先すべきです。

さまざまなチャネルを活用して繰り返し発信する

一度伝えただけで方針が浸透することはありません。人は時間とともに情報を忘れてしまうため、複数のチャネルを使って繰り返し伝える工夫が求められます。社内報や掲示板、メール、イントラネットなどのデジタル媒体だけでなく、朝礼やミーティングなどの口頭での伝達機会も効果的でしょう。

研修やワークショップを通じて理解を深める

方針を一方的に伝えるだけではなく、社員自身が内容を深く理解し、自分事として受け止められるようにすることが大切です。そのためには、研修やワークショップなどの体験的な学びの場が方針を伝えるうえで効果を発揮するでしょう。

グループディスカッションや事例分析などを通じて、方針が実際の業務にどのように関係しているかを考える機会をつくることで、理解が一層深まります。また、階層別や部署別にテーマを分けることで、それぞれの役割や業務に応じた形での定着が可能です。能動的に学べる機会があることで、社員の内面に方針が根付いていきます。

各部署・チーム単位で行動指針や目標を具体化する

全社的な基本方針を現場レベルに落とし込むためには、各部署やチーム単位での具体化が必要です。それぞれの業務内容や課題に応じた行動指針や目標を設定することで、方針が抽象的なままに終わるのを防ぎます。

営業部門では「顧客満足度向上のための対応力強化」、人事部門では「従業員のエンゲージメント向上施策の実施」など、具体的なテーマを持たせることで実効性がより高まるでしょう。各チームで方針を自分たちの言葉で再解釈し、実践につなげるプロセスが成果につながります。

方針に沿った行動や成果を評価し、報酬や表彰に反映する

基本方針の浸透を促進するには、それに基づいた行動や成果が正当に評価される仕組みが不可欠です。人事評価や報酬制度の中に方針に沿った行動を評価軸として組み込むことで、社員の行動が自然と方針に沿うようになります。

また、表彰制度などを活用し、方針を体現した行動を組織内で称賛することも、良い行動の共有と拡大につながるでしょう。このように、方針が評価や報酬と結びつくことで、社員の動機づけが高まり、方針が組織文化として根付いていきます。

まとめ

基本方針は、経営理念を現場の行動に落とし込むための実践的な指針です。組織全体に一貫した価値観と方向性をもたらし、日々の意思決定を支える土台となります。

マイビジョンでは、企業の経営理念や方針づくりに課題を感じている方に向けて、理念浸透やブランディングの支援などを幅広く実施しています。組織づくりに関することは一気通貫で総合的なサポートが可能ですので、まずは気軽にお問い合わせください。

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